健康ってすばらしい

子宮体がんサバイバーの随筆

別に悪いことしてる訳じゃない

それは抗がん剤の副作用髪が抜け、カツラを付け始めた頃よく思ったことだ。

 

何か悪いことをしでかした罰として髪がない訳じゃない。

抗がん剤の副作用なのだ。

なのになぜ、カツラで隠し、

真夏の暑い日でも汗をかきながら

かぶり続けなくてはいけないのか。

 

確かに、髪が抜け、素肌に帽子だけでいるのは一発で

「そうなのかな。」と思われるだろう。

田舎だから余計に目立つだろう。

だが、田舎だろうが都会だろうが、「二人に一人」の確率でがんの人はいる。

 

いるはずだ。

はずだが、見渡す限りではカツラをかぶってそうな人は見当たらない。

みなさん、よほど高級なカツラをかぶっているのだろうか。

羨ましい...

高ければ高いほど自然に見えるのがカツラだ。

 

私が買ったカツラは

おそらくバレバレだったはずだ。

 

だからこそ余計に、

どうせバレバレなのだから、

なぜ隠さなければいけないのかぁぁぁぁ!!!

 

だが結局、治療が終わり髪がまた生えそろうまで

カツラをかぶり続けた。

結局のところ、ありのままをさらけ出す勇気がなかったのだ。

 

カツラを取ったのは

全体に2〜3センチほど髪の毛が生えた頃だろうか。

ギリギリ、

イメチェンでベリーショートにした風に見える長さだ。

 

抗がん剤治療が終わってから

半年ほど経っていた。

 

なんという解放感!

そして開放感!

ありのままの自分でいられるとは

なんと素晴らしいことなのか!

 

ようやくバレバレのカツラともおさらば。

 

るんるん

バイト先に向かうと、

そこのおじいちゃん社長から

「前の髪型のほうがよかった。」

と残念そうに言われた。

 

おや?

意外とカツラ、ばれてなかったのかな?

 

それはそれで嬉しい私でした。