自己暗示最強説
ドレーンとホチキスの衝撃に打ちひしがれながらも、
もう少しで退院できると聞いてるんるんだった私。
ところがある日の夕方、
いきなりすぱーんと38度の熱が出た。
襲い来る寒気。
つながれる点滴。
下がらない熱。
私は信じていた。
汗をかけば熱は下がると。
しかし今では違うらしい。
無理して汗をかくのは、逆に体力が奪われるそうだ。
そんなことはつゆ知らず。
毛布をもりもり看護師さんにかけてもらい
ぜーぜー言いながら必死に汗をかいた。
ところが全く熱は下がらない。
38度→汗→37度→38.5度→汗→37.5度→39度...
どんどん上がる。
熱が出始めてから3日目、
血液検査の結果を見た先生がやってきて言った。
「どうやら細菌感染ではなく、ウィルスのようです。
ただ、インフルエンザではありませんでした。」
「(ぜーぜー)なんのウィルスなんですか?」
「わかりません。世の中にはいろんなウィルスがいます。
ウィルスには点滴は効きませんが、
二次感染を防ぐために抗生剤の点滴をしています。」
「(ぜーぜー)点滴効かないんですか?」
「はい。ウィルスには抗生剤は効きません。
免疫力勝負になります。」
「(ぜーぜー).........」
術後で、しかも熱で弱っているのに免疫力勝負???
(話す気力なし。心の叫び)
「炎症の度合いを示す数値が日に日に上がっていって、
今は正常値の1000倍いってます。」
「(ぜーぜー).........」
まじっすか。
「とにかく頑張りましょう。」
どうやってだ〜〜〜〜!!!
点滴も効かないのに、どうすんだ〜〜〜!!!
熱にうなされながら、スマホで必死に検索した。
「免疫力を上げる方法」
痛い思いをして手術とドレーンとホチキスを乗り越えたというのに
ここにきてウィルスに負けてたまるか〜!!ふざけんな!!!
そしてたどり着いた免疫力アップ法、それは
インフルエンザにも効果があると言われている某有名乳酸飲料R-◯!
そして自己暗示!
熱にうなされている状態で私にできることと言ったらこれくらいだった。
解熱剤を飲んで少し熱が下がったすきに売店でR-◯をがっつり買い込み、
それを飲んだあとは毛布にくるまりながらひたすら自己暗示。
「免疫力がんばれ〜!免疫力アップ〜!
免疫力がんばれ〜!免疫力アップ〜!
免疫力がんばれ〜!免疫力アップ〜!」
念仏のようにひたすらひたすら
免疫力を応援し続けた。
もちろん頭の中で。
嘘のようだが本人は至って本気だ。
まさしく藁にもすがる思いで、R-◯と自己暗示にすがった。
そして奇跡は起きる。