健康ってすばらしい

子宮体がんサバイバーの随筆

KMT(看護師さん・まじ・天使)

辛い手術そして入院を支えてくれたのは、

なんといっても看護師さんである。

 

自分たちも夜勤があって大変だろうに、

いつも優しく励ましてくれて

(中にはスパルタな看護師さんもいたが)、

本当にありがたかった。

 

手術からずっといろんなチューブが巻き付いているので

お風呂はもちろんシャワーも浴びれなかった。

 

汗をかいたりすることはないので、

看護師さんがタオルで体を拭いてくれるだけで十分

体の痒みは抑えられたが、

髪の毛の方はそうはいかない。

 

3日目にもなるともう

ベットベトのベッタベタで

とんでもないことになっていたが、

シャワーを浴びれるようになるまで

我慢するしかないと思っていた。

 

ところが、ある日看護師さんが

「髪の毛洗いましょうか?」

と声をかけたくれた。

「え?髪の毛洗ってもらえるんですか?」

「はい、大丈夫ですよ。そこの手洗い場のところですけど。」

 

なんということでしょう。

こんなベットベトの髪の毛を洗ってくれるというのだ!

感動に打ちひしがれながらお願いした。

 

患者さんが顔を洗ったりする手洗い場の端っこに

シャワーが付いており、

そこに椅子に座ったまま、少し前かがみになって洗ってもらうのだ。

 

傷口が少し気になったが、

この髪の毛とおさらばできるのだから、

ここは踏ん張るしかない。

 

3日ぶりのお湯の何と気持ちいいことか!

痒いところを的確にゴシゴシと、

小学校時代に行っていた

床屋さんのシャンプーを思い出させる、

力強いシャンプーだった。

 

シャンプーしてもらってすっきりすると、

それだけでだいぶ回復してきた気がした。

 

ものすごく、ものすごーくありがたかった。

 

また、術後の残尿検査の時も

看護師さんには感謝してもしきれないことがあった。

 

子宮と卵巣の全摘出手術の際、

排尿障害が起こる可能性があるのだ。

そこで、トイレに行ったあと、

きちんと適切に尿が排出されているか、

残尿の検査を受けなければならない。

基準がクリアされるまでずっとだ。

術後、私は、常に病室のベッドの頭の方を

少し上に上げていた。

座っている時はもちろんだが

夜寝る時も少し上にあげていた。

平らな状態で寝るよりも、

その方が快適だった。

 

だが、残尿検査の時は

処置室のベッドで平らに寝て

検査を受けなくてはいけない。

 

その時、ベッドに平らに寝ると、

ぞぞぞぞぞ〜〜っと

内臓が下から上に動くのを感じるのだ。

なにしろ、本来あるべきものがないのだから

さぞかし腸も動きやすいことだろう。

 

みなさん、想像できるだろうか。

意識がある状態で内蔵を動かされると、

どれほど気持ち悪いかを。

漫画の世界である。

 

毎回毎回あまりに気持ち悪くなるので、

ある日看護師さんに相談したところ、

本当は衛生上してはいけないのだが、

病室のベッドの上で残尿検査をしてくれた。

 

やはりいつもの角度で横になると、

気持ち悪くならずに

検査できた。

 

ルールを破って患者によりそってくれて、

いけないことなのかもしれないが

これも本当にありがたかった。

 

看護師さんとは、尊敬に値する仕事である。

辛い時を乗り越えられたのは、

あなた方のおかげです。

本当にありがとうございました。